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11月議会個人質問 「行財政改革推進体制の強化について」
5%恒久減税が可決いたしました。
これからが、始まりです。
行財政改革も、議会改革も、まだまだ道半ば。3年にも及ぶ議論の末、5%恒久減税が可決いたしましたが、減税をひとつの改革の手段として掲げている以上、その成果を出すためには、これからが本当の正念場であります。
4党合意になりました。
行革の必要性はどの党の方々も皆、喫緊の課題として認識しています。これまでの委員会や本会議の議論において、様々な行革アイデアがあることを、公式・非公式に教えていただきました。アイデアはある、ですが、それを腰を据えてしっかり議論する場所が、今の名古屋市会には存在しないと私は思っています。そのための体制づくりを、先の11月議会で提案させていただきました。内容は以下掲載いたします。
今後は議会が一丸となって、行革の推進に向け、また議会の在り方について、改革を遂行していきたいと思います。
(●・ω・)ノ------------はじまり------------
★11月議会個人質問 「行財政改革推進体制の強化について」
―縦割り行政に横串を!!―
映像はこちら↓
http://www.nagoya-city.stream.jfit.co.jp/vod_play.php?CNTID=9178&PREVPAGE=%CC%E1%A4%EB
お許しをいただきましたので、通告に従い、質問させていただきます。
9月議会で私は、行財政改革の一環として、指定管理者制度について質問させていただきました。
そこでは、公募方法や審査手続きに公平性、公開性が不十分だと指摘しましたが、私の質問に対して、総務局長さんには「行政改革を担当する課長級の局横断的な会議でしっかり検討する。」というご回答をいただいています。また、9月議会に、課長級の局横断的会議が開かれていると伺いました。名古屋市における指定管理者制度が、公平性・透明性、そして、競争性がしっかりと担保された制度設計になっていくことを切に願っております。
さて、今回は、通告にありますとおり、「減税と行財政改革推進体制の強化について」質問させていただきます。その趣旨は、市民のみなさま、行政のみなさま、そして、議会のみなさんが一丸となって、縦割り行政に横串を通し、行財政改革を断固として推し進める体制を名古屋市に作ることを提言するものであります。
(1)行革の本質について
行財政改革について、行政の皆さんにいろいろお話を伺いますと、
「我が国には、あらゆる場面で制度疲労が極限に達しており、総論では、誰もが改革・変化を期待しているのに、各論になると既得権益に縛られて改革が何一つ実行できなくなってしまう」、と言った声をよく耳にします。
そもそも、行財政改革とは何でしょうか。これまでの行革と言えば、日本では、単に削減することばかり強調されてきました。改革よりも、「削減」を意味する言葉になってしまっています。これまで多くの自治体の行革は、予算を削り、組織も簡素化するが、仕事のやり方は今までどおりという場合が多かった。人・カネを削るが、仕事量を減らさなければ、1人あたりの仕事量は増え、必然的に残業せざるをえなくなる。「残業代は増えるし、仕事効率は下がる」で、悪循環となってしまいます。
「削減」は改革した「結果」であって、目的ではありません。
本来、行革とは、職員の意識改革や業務改善を通じて、最小の費用で最大の効果を挙げる、構造改革を意味します。つまり、行革とは、時代の変化によって、
行革のための、新たな視点、それは局の垣根を越えた、「局横断的な視点」です。縦割りの組織内の無駄を徹底的に見直したら、次の行革ステージは、縦割りに横串を通し、目的の似ている事業を整理し、一元化し、効率化していく。この視点が強烈に必要であります。
そこで、今般は改革がなかなか前進しない一番の理由と言われる、“たて割り行政”について質問させていただきます。
1.市役所の組織図(パネル①)
今回もパネルを数枚用意いたしましたのでご覧ください。
“たて割行政”という言葉をインターネットで検索してみますと、こんなことが書かれています。
「たて割行政とは、行政事務の遂行にあたって、よその部署のことに口出ししない。自分の部署のことに口を出させない。」・・・
また、ある委員会の時、「これまで局長クラスで局横断的な議論の場があったかどうか」、役所の方にお伺いをいたしましたが、
「経営会議の時に、例えば他の局の事業の、うちの局と全然関係ない事業に、それいらんのじゃないかというのは、なかなか勇気がいる」という旨、ご発言されたと聞きました。
そもそも、名古屋市の組織の中に局横断的な視点でもって、行財政改革を議論する場が存在していないのではないでしょうか?
それでは、局横断的な行政改革なんて“絵に描いた餅”になってしまいます。
わが名古屋市の組織図です。

これを見ますと、行財政改革の推進部署が総務局の下の一部署として設置してあります。
これで、局を横断した行革が実行できるのでしょうか?
「自分の部署のことに口を出させない」と言っているのに、全市にわたるような行政改革が実行に移すことができるのでしょうか?
結論から言います。
行財政改革は、全部局にまたがり、それぞれの部局に痛みを伴う大改革なんです。
このため、大改革を成し遂げるには、その推進部署は「市長直属」とし、全部局の上に立つ組織でなければならないと考えます。全部局をまたがり、議論する場所が必要なんです。
2.浜松市の事例
そこで、今回も、行革先進都市の実例を紹介させていただきます。
指定管理者制度で取り上げた横浜市も、行財政改革にしっかり取組んでいますが、今回は横浜市ではなくて浜松市を紹介いたします。
調べてみますと、全国ほとんどの自治体で“行政改革”を推進していますが、その推進組織はそれぞれさまざまです。
一言でいわせていただければ、推進組織をみれば、“この自治体は、行革を本気でやる気があるのか”が垣間見えます。
その点からすると浜松市の取り組みはピカイチだと思いましたので、是非ここに紹介して、わが名古屋市も取り入れたいと提案するものであります。
次のパネルをご覧ください。

浜松市の行革推進組織は、市長を本部長とする「行財政改革推進本部」と市長の諮問機関としての第三者機関による「行財政改革推進審議会」の二本立てになっています。
また、市議会には、「行財政改革特別委員会」が設置してあります。
この中で特徴的なのが、第三者機関による「行革審議会」の設置でして、この行革審議会の提言によって、困難な改革に多大な成果を実現しています。
3.行革審議会のパネル
この「行財政改革推進審議会」は平成17年8月に設置されています。

“土光臨調”に倣って設置したとなっていますが、パネルに書いてありますように、土光臨調とは、今から30年前の鈴木善行内閣のもとで、84歳になる土光敏夫・東芝会長が、命をなげうって取組んだ行革組織のことです。
そのときに、既得権ガチガチの抵抗勢力に屈せず、国鉄民営化を果たし現在のJRになったことは有名です。
それに倣って浜松市では、審議会の会長に、鈴木自動車の会長の鈴木修氏を迎えました。
鈴木会長は、浜松市で財界はもとより政界・官界にも大きな影響力のある、地元では知らない人のいない大変な人のようです。
その後、鈴木会長のもとで4年間、審議会は数々の行革を断行することになるのですが、浜松市の行財政改革の成功は、外部の審議会組織に鈴木会長を配置したことだと言われています。
○行革に取組む視点
審議会では、4つの視点から行革にとりくんでいます。
第一には、「市民目線で判断」することです。
税金が役所自身のため、既得権のために使われていないかを市民目線・一般常識に照らして判断することです。
これは、河村市長そして我が党が常々言っていること、そして公約に掲げたことと全く一致するものです。
第二は、「情報公開」です。
「馴れ合い」、「慣行」、「惰性」をなくすための徹底した市民への情報公開を実施することです。先進的な行革を成し遂げたところでは、必ずと言っていいほど、徹底的な情報公開を行っています。
第三の、「役所言葉の是正」で市民に分かりやすい言葉で情報公開をするというのは、当然のこととして、
第四に、役所旧来の体質の打破を掲げています。
「先送り主義」、「事なかれ主義」をなくし、子どもたちの世代に責任のもてる市役所に変革することです。
これら一連の取り組みをみていますと、どれもこれも、われわれが取組まなければならない課題ばかりで、大変参考になる組織体だと思われませんか。
市長いかがでしょうか?
もうひとつ、紹介したいのは、公開の審議会を年8回から10回程度、一回あたり3時間もかけて実施していることです。

その公開審議会も、平日昼間ではなくて、土日あるいは夜間に行っていることです。
これは、鈴木会長のひと声で、審議会のメンバー、そして傍聴する市民の立場にたって決めたということです。
さらに、注目したい点は、事務局です。従来では、事務局はすべて役人で、行政主導型でありました。ですが、こちらの事務局では、行政と民間の両方から事務局員を出し、役所の方は民間の経営手法を学び、民間の方は行政の論理を学び、そこで融和していくという素晴らしい試みになっております。
4.終わり
もう一度、浜松市の行革推進体制のパネルをご覧ください。

提案です。
我が名古屋市もこれをそのまま倣っての行財政改革推進体制をつくるべきだと考えますが市長の見解をお伺いします。
ここに、浜松市の第三次行革審議会の答申書があります。
本年10月に、2年間の審議した内容が書かれています。
公開していますので、だれでも手に入れることができます。
「役所の人件費、定員の削減」、「補助金の見直し」、「事業の仕分け」、「外郭団体」などについて、具体的数値をもってそのあるべき姿を大胆かつ明確に提言しています。
答申書の冒頭に書かれていることを拾ってみますと・・・
・廃止したい、優先度の低い事業にもサービスを受けている受益者がいる。
・行財政改革は、総論賛成、各論反対の世界。
・改革が遅れても、面倒なことは先送りして後任に委ねることを考えがち。
・行革には“痛み”がつきものだが、民間では改革の遅れは企業の存続を脅かすので速やかに実行する。
そして最後に、
・審議会の答申だけで、行革は進まない。「市民のみなさまの理解と協力」、「市議会の決断」、「市長のリーダーシップ」、「市職員の実行力」が一体となってはじめて成し遂げられる。
自分たちの子どもや孫の世代に、よりよい将来を残すために、一丸となって行財政改革を推し進めよう。・・・・・
浜松市のこの6年間の行財政改革にとりくんでいる姿を勉強させていただきました。
おおいに感動しました。
他の都市のやっていることを真似ることに躊躇しているときではありません。
我が名古屋市にとって、“行革待ったなし!”です。
また、私は平成22年3月の本会議質問にて、公明党加藤武夫議員の行財政改革の提案の内容を読ませていただきました。その時に、加藤議員は、
①事業所・営業所の集約化、
②事業仕分け制度の導入、
③民間委託、公設民営化の推進、
④業務の委託化、を掲げて、個別・具体的な行革案を提言されております。それらの案を、「名古屋市に眠っている埋蔵金」と銘打ちまして、恒久的財源で約490億円、臨時財源で約156億円と試算されています。
素晴らしいと思います。ぜひ、これら数々の行革提案を基に、一層の行革を一緒に推し進めてまいりたいと思います。
また、減税プロジェクトチームから派生して、行革を全庁的に進める組織として、「行革推進本部」というものが21年度から22年度にかけて、名古屋市にもありました。いわゆる、行革プロジェクトチームです。しかしながら、このプロジェクトチームは、本部長は市長ではなく、副市長であり、メンバーは総務局と財政局の一部幹部のみで構成されておりました。今現在は存在しておりません。
やはり、市長が旗振り役となってリーダーシップを発揮できる体制が必要です。さらに、局横断的な議論をする部署としては、総務局・財政局だけでは足りません。全局の局長クラス、そしてワーキンググループとして、全局の企画経理を担当する若手職員をメンバーに入れる必要があります。
これまで、行革先進都市浜松の取り組みを紹介させていただきました。やはり、行政内部で全局にまたがる組織、行革推進本部
外部の組織で、行革推進審議会
そして、市議会の行革特別委員会
と、三本柱を名古屋市の組織に築き上げるべきです
行革を断固として推進する体制が整えば、改革は大いに進むと確信しております。推進体制の早期設置について、“市長のリーダーシップ”をおおいに期待しております。
最後に、市長の決意と意気込みと、そして決断をお伺いいたします。
これで、私の第一回目の質問を終わります。
(○・ω・)ノ-------------おわり-------------
市長答弁では、以上のような相互に連携し、体系だった三本柱の体制を築いていくとのご答弁でした。
今後議会側の動きといたしまして、まず、2月議会までに、行革特別委員会の条例を理事会に提出しなかればなりません。各会派のみなさまにご賛同いただけるよう、お願いに上がろうと思います。
今は、時代の変わり目だと思います。それまでは、きっと今のまでような体制が一番最適だった。しかし、時代の変遷とともに次第にそれまでの体制が制度疲労を起こし、新しい制度に移り変わる必要性が生まれてくる。それが今なのだと思います。
5%減税が可決した年が2011年なら、改革元年が2012年です。
まだまだ手さぐり状態ではありますが、今後も行革をテーマに議場に立っていこうと思います。
みなさま、どうもありがとうございます!
これからが、始まりです。
行財政改革も、議会改革も、まだまだ道半ば。3年にも及ぶ議論の末、5%恒久減税が可決いたしましたが、減税をひとつの改革の手段として掲げている以上、その成果を出すためには、これからが本当の正念場であります。
4党合意になりました。
行革の必要性はどの党の方々も皆、喫緊の課題として認識しています。これまでの委員会や本会議の議論において、様々な行革アイデアがあることを、公式・非公式に教えていただきました。アイデアはある、ですが、それを腰を据えてしっかり議論する場所が、今の名古屋市会には存在しないと私は思っています。そのための体制づくりを、先の11月議会で提案させていただきました。内容は以下掲載いたします。
今後は議会が一丸となって、行革の推進に向け、また議会の在り方について、改革を遂行していきたいと思います。
(●・ω・)ノ------------はじまり------------
★11月議会個人質問 「行財政改革推進体制の強化について」
―縦割り行政に横串を!!―
映像はこちら↓
http://www.nagoya-city.stream.jfit.co.jp/vod_play.php?CNTID=9178&PREVPAGE=%CC%E1%A4%EB
お許しをいただきましたので、通告に従い、質問させていただきます。
9月議会で私は、行財政改革の一環として、指定管理者制度について質問させていただきました。
そこでは、公募方法や審査手続きに公平性、公開性が不十分だと指摘しましたが、私の質問に対して、総務局長さんには「行政改革を担当する課長級の局横断的な会議でしっかり検討する。」というご回答をいただいています。また、9月議会に、課長級の局横断的会議が開かれていると伺いました。名古屋市における指定管理者制度が、公平性・透明性、そして、競争性がしっかりと担保された制度設計になっていくことを切に願っております。
さて、今回は、通告にありますとおり、「減税と行財政改革推進体制の強化について」質問させていただきます。その趣旨は、市民のみなさま、行政のみなさま、そして、議会のみなさんが一丸となって、縦割り行政に横串を通し、行財政改革を断固として推し進める体制を名古屋市に作ることを提言するものであります。
(1)行革の本質について
行財政改革について、行政の皆さんにいろいろお話を伺いますと、
「我が国には、あらゆる場面で制度疲労が極限に達しており、総論では、誰もが改革・変化を期待しているのに、各論になると既得権益に縛られて改革が何一つ実行できなくなってしまう」、と言った声をよく耳にします。
そもそも、行財政改革とは何でしょうか。これまでの行革と言えば、日本では、単に削減することばかり強調されてきました。改革よりも、「削減」を意味する言葉になってしまっています。これまで多くの自治体の行革は、予算を削り、組織も簡素化するが、仕事のやり方は今までどおりという場合が多かった。人・カネを削るが、仕事量を減らさなければ、1人あたりの仕事量は増え、必然的に残業せざるをえなくなる。「残業代は増えるし、仕事効率は下がる」で、悪循環となってしまいます。
「削減」は改革した「結果」であって、目的ではありません。
本来、行革とは、職員の意識改革や業務改善を通じて、最小の費用で最大の効果を挙げる、構造改革を意味します。つまり、行革とは、時代の変化によって、
行革のための、新たな視点、それは局の垣根を越えた、「局横断的な視点」です。縦割りの組織内の無駄を徹底的に見直したら、次の行革ステージは、縦割りに横串を通し、目的の似ている事業を整理し、一元化し、効率化していく。この視点が強烈に必要であります。
そこで、今般は改革がなかなか前進しない一番の理由と言われる、“たて割り行政”について質問させていただきます。
1.市役所の組織図(パネル①)
今回もパネルを数枚用意いたしましたのでご覧ください。
“たて割行政”という言葉をインターネットで検索してみますと、こんなことが書かれています。
「たて割行政とは、行政事務の遂行にあたって、よその部署のことに口出ししない。自分の部署のことに口を出させない。」・・・
また、ある委員会の時、「これまで局長クラスで局横断的な議論の場があったかどうか」、役所の方にお伺いをいたしましたが、
「経営会議の時に、例えば他の局の事業の、うちの局と全然関係ない事業に、それいらんのじゃないかというのは、なかなか勇気がいる」という旨、ご発言されたと聞きました。
そもそも、名古屋市の組織の中に局横断的な視点でもって、行財政改革を議論する場が存在していないのではないでしょうか?
それでは、局横断的な行政改革なんて“絵に描いた餅”になってしまいます。
わが名古屋市の組織図です。

これを見ますと、行財政改革の推進部署が総務局の下の一部署として設置してあります。
これで、局を横断した行革が実行できるのでしょうか?
「自分の部署のことに口を出させない」と言っているのに、全市にわたるような行政改革が実行に移すことができるのでしょうか?
結論から言います。
行財政改革は、全部局にまたがり、それぞれの部局に痛みを伴う大改革なんです。
このため、大改革を成し遂げるには、その推進部署は「市長直属」とし、全部局の上に立つ組織でなければならないと考えます。全部局をまたがり、議論する場所が必要なんです。
2.浜松市の事例
そこで、今回も、行革先進都市の実例を紹介させていただきます。
指定管理者制度で取り上げた横浜市も、行財政改革にしっかり取組んでいますが、今回は横浜市ではなくて浜松市を紹介いたします。
調べてみますと、全国ほとんどの自治体で“行政改革”を推進していますが、その推進組織はそれぞれさまざまです。
一言でいわせていただければ、推進組織をみれば、“この自治体は、行革を本気でやる気があるのか”が垣間見えます。
その点からすると浜松市の取り組みはピカイチだと思いましたので、是非ここに紹介して、わが名古屋市も取り入れたいと提案するものであります。
次のパネルをご覧ください。

浜松市の行革推進組織は、市長を本部長とする「行財政改革推進本部」と市長の諮問機関としての第三者機関による「行財政改革推進審議会」の二本立てになっています。
また、市議会には、「行財政改革特別委員会」が設置してあります。
この中で特徴的なのが、第三者機関による「行革審議会」の設置でして、この行革審議会の提言によって、困難な改革に多大な成果を実現しています。
3.行革審議会のパネル
この「行財政改革推進審議会」は平成17年8月に設置されています。

“土光臨調”に倣って設置したとなっていますが、パネルに書いてありますように、土光臨調とは、今から30年前の鈴木善行内閣のもとで、84歳になる土光敏夫・東芝会長が、命をなげうって取組んだ行革組織のことです。
そのときに、既得権ガチガチの抵抗勢力に屈せず、国鉄民営化を果たし現在のJRになったことは有名です。
それに倣って浜松市では、審議会の会長に、鈴木自動車の会長の鈴木修氏を迎えました。
鈴木会長は、浜松市で財界はもとより政界・官界にも大きな影響力のある、地元では知らない人のいない大変な人のようです。
その後、鈴木会長のもとで4年間、審議会は数々の行革を断行することになるのですが、浜松市の行財政改革の成功は、外部の審議会組織に鈴木会長を配置したことだと言われています。
○行革に取組む視点
審議会では、4つの視点から行革にとりくんでいます。
第一には、「市民目線で判断」することです。
税金が役所自身のため、既得権のために使われていないかを市民目線・一般常識に照らして判断することです。
これは、河村市長そして我が党が常々言っていること、そして公約に掲げたことと全く一致するものです。
第二は、「情報公開」です。
「馴れ合い」、「慣行」、「惰性」をなくすための徹底した市民への情報公開を実施することです。先進的な行革を成し遂げたところでは、必ずと言っていいほど、徹底的な情報公開を行っています。
第三の、「役所言葉の是正」で市民に分かりやすい言葉で情報公開をするというのは、当然のこととして、
第四に、役所旧来の体質の打破を掲げています。
「先送り主義」、「事なかれ主義」をなくし、子どもたちの世代に責任のもてる市役所に変革することです。
これら一連の取り組みをみていますと、どれもこれも、われわれが取組まなければならない課題ばかりで、大変参考になる組織体だと思われませんか。
市長いかがでしょうか?
もうひとつ、紹介したいのは、公開の審議会を年8回から10回程度、一回あたり3時間もかけて実施していることです。

その公開審議会も、平日昼間ではなくて、土日あるいは夜間に行っていることです。
これは、鈴木会長のひと声で、審議会のメンバー、そして傍聴する市民の立場にたって決めたということです。
さらに、注目したい点は、事務局です。従来では、事務局はすべて役人で、行政主導型でありました。ですが、こちらの事務局では、行政と民間の両方から事務局員を出し、役所の方は民間の経営手法を学び、民間の方は行政の論理を学び、そこで融和していくという素晴らしい試みになっております。
4.終わり
もう一度、浜松市の行革推進体制のパネルをご覧ください。

提案です。
我が名古屋市もこれをそのまま倣っての行財政改革推進体制をつくるべきだと考えますが市長の見解をお伺いします。
ここに、浜松市の第三次行革審議会の答申書があります。
本年10月に、2年間の審議した内容が書かれています。
公開していますので、だれでも手に入れることができます。
「役所の人件費、定員の削減」、「補助金の見直し」、「事業の仕分け」、「外郭団体」などについて、具体的数値をもってそのあるべき姿を大胆かつ明確に提言しています。
答申書の冒頭に書かれていることを拾ってみますと・・・
・廃止したい、優先度の低い事業にもサービスを受けている受益者がいる。
・行財政改革は、総論賛成、各論反対の世界。
・改革が遅れても、面倒なことは先送りして後任に委ねることを考えがち。
・行革には“痛み”がつきものだが、民間では改革の遅れは企業の存続を脅かすので速やかに実行する。
そして最後に、
・審議会の答申だけで、行革は進まない。「市民のみなさまの理解と協力」、「市議会の決断」、「市長のリーダーシップ」、「市職員の実行力」が一体となってはじめて成し遂げられる。
自分たちの子どもや孫の世代に、よりよい将来を残すために、一丸となって行財政改革を推し進めよう。・・・・・
浜松市のこの6年間の行財政改革にとりくんでいる姿を勉強させていただきました。
おおいに感動しました。
他の都市のやっていることを真似ることに躊躇しているときではありません。
我が名古屋市にとって、“行革待ったなし!”です。
また、私は平成22年3月の本会議質問にて、公明党加藤武夫議員の行財政改革の提案の内容を読ませていただきました。その時に、加藤議員は、
①事業所・営業所の集約化、
②事業仕分け制度の導入、
③民間委託、公設民営化の推進、
④業務の委託化、を掲げて、個別・具体的な行革案を提言されております。それらの案を、「名古屋市に眠っている埋蔵金」と銘打ちまして、恒久的財源で約490億円、臨時財源で約156億円と試算されています。
素晴らしいと思います。ぜひ、これら数々の行革提案を基に、一層の行革を一緒に推し進めてまいりたいと思います。
また、減税プロジェクトチームから派生して、行革を全庁的に進める組織として、「行革推進本部」というものが21年度から22年度にかけて、名古屋市にもありました。いわゆる、行革プロジェクトチームです。しかしながら、このプロジェクトチームは、本部長は市長ではなく、副市長であり、メンバーは総務局と財政局の一部幹部のみで構成されておりました。今現在は存在しておりません。
やはり、市長が旗振り役となってリーダーシップを発揮できる体制が必要です。さらに、局横断的な議論をする部署としては、総務局・財政局だけでは足りません。全局の局長クラス、そしてワーキンググループとして、全局の企画経理を担当する若手職員をメンバーに入れる必要があります。
これまで、行革先進都市浜松の取り組みを紹介させていただきました。やはり、行政内部で全局にまたがる組織、行革推進本部
外部の組織で、行革推進審議会
そして、市議会の行革特別委員会
と、三本柱を名古屋市の組織に築き上げるべきです
行革を断固として推進する体制が整えば、改革は大いに進むと確信しております。推進体制の早期設置について、“市長のリーダーシップ”をおおいに期待しております。
最後に、市長の決意と意気込みと、そして決断をお伺いいたします。
これで、私の第一回目の質問を終わります。
(○・ω・)ノ-------------おわり-------------
市長答弁では、以上のような相互に連携し、体系だった三本柱の体制を築いていくとのご答弁でした。
今後議会側の動きといたしまして、まず、2月議会までに、行革特別委員会の条例を理事会に提出しなかればなりません。各会派のみなさまにご賛同いただけるよう、お願いに上がろうと思います。
今は、時代の変わり目だと思います。それまでは、きっと今のまでような体制が一番最適だった。しかし、時代の変遷とともに次第にそれまでの体制が制度疲労を起こし、新しい制度に移り変わる必要性が生まれてくる。それが今なのだと思います。
5%減税が可決した年が2011年なら、改革元年が2012年です。
まだまだ手さぐり状態ではありますが、今後も行革をテーマに議場に立っていこうと思います。
みなさま、どうもありがとうございます!
▲
by yamadamana2011
| 2011-12-25 20:33
| 行財政改革
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