山田まな 活動日記

【その1】政務活動費の条例改正案を考えてみました

地方自治法が改正され、政務調査費から政務活動費に名称及び内容が変更されるにあたって、名古屋市議会でも条例改正に関して今後議論がなされていくようです。

とりあえず、個人的なものですが、これまで政務調査費に携わりながら、「ここが変だ」という問題点を挙げ、弁護士さんと相談しながら、『公開性・透明性』を重視した先進都市から学び、条例改正案を作りました。まだまだまだ検討中です。

(1)名古屋市における政務調査費の変遷
1)名古屋市会政務調査費の交付に関する条例改正の推移

①平成20年3月5日 政務調査費条例改正
 ⇒1万円以上の支出の際は、領収書添付を義務づける
②平成21年3月19日 政務調査費条例改正
 ⇒月55万円支給から、5万円減額して、月50万円支給
③平成22年3月29日
 ⇒1円から領収書添付を義務づけ

○名古屋市会政務調査費の交付に関する条例改正の推移ですが、名古屋市議会も他都市の改正の流れや世論、またオンブズマンの声を反映し、平成22年には1円から領収書公開を取り入れていました。


2)名古屋市の政務調査費交付の概要

①政務調査費の交付先
 会派のみ

②交付金額
 会派所属議員の人数×50万円/月

③公開性・透明性
 【1】証拠書類
・1円から領収書添付を義務づけ
 【2】閲覧
・場所:市会図書室内及び市会事務局内
・方法:簡易なメモを取ることは可能。
コピーしたい場合は、情報公開請求の手続きに則り1枚あたり10円

○政務調査費の交付先は、会派のみで、交付金額は議員ひとりあたり月50万円です。

○証拠書類は全件の領収書の添付と収支報告書のみとし、それらを市会図書室で公開しています。簡易なメモを取ることは可能ですが、コピーしたい場合は、情報公開請求の手続きに則り1枚あたり10円必要です。


(2)使途基準の曖昧さと不透明な公開方法

【問題点】
透明性・公開性・市民への説明責任の観点を鑑みると、名古屋市会では未だ政務調査費に関して詳細な指針が存在していない。

【検討課題】
◇交付金額
 ・議員一人あたり50万円/月の妥当性

◇使途基準の明確化と内容の妥当性
・明確に区分を行うことが困難な場合の按分率→基準の必要性
  例)ガソリン代、事務所費、人件費等

○たとえばガソリン代や事務所費代等、明確に区分を行うことが困難な場合の按分率に基準はありませんし、例えば按分率80%とA会派が一律定めたとして、その合理的な根拠を示す必要性はありません。基準化が必要です。

○また、判例では違法支出とされるものが、市民からの指摘がないため『名古 屋ルール』として容認されています。市民から指摘されない限り、その使い途は正しいとされるのであれば、あまりに恣意的。つまり「ばれなければ良い」ということになってしまうのです。


◇支給対象
 ・「会派」か「議員」か
 →誰が何の目的で使用したのかの説明責任を果たすため、
  支給対象を「議員」すべきでは?
 
⇔三重県議会ありかた検討会
  「合議体としての議会機能を強化する観点から、政策の形成・調整・合意形成を行う会派の活動を「政務」とし、支給対象を「会派」とすべきでは?

◇証拠書類等
 ・領収書例①「80円切手代金120万円」
 ・領収書例②「備考欄に『人件費40万円/月』と記入したのみで、領収書は20万円と記載されている」
 ・領収書③「備考欄に『鹿児島視察11人分230万円』と記入したのみで、細目の記述のない領収書添付のみ」

○これらのずさんな領収書公開のみでは市民に説明責任を果たしたとは到底言えません。そこで、視察報告書・成果物・勤務実態表等の提出および公開の義務づけの必要性があるといえます。

◇監査体制
 ・現状、条例第6条を根拠とする議長の形式的な調査に留まる

 →公開方法
 ・領収書宛名が会派名
 ・市会図書室(市会事務局)でしか閲覧できない
 →公開する資料の範囲
 ・現状では領収書のみ

○公開方法も領収書宛名が会派名で、市会図書室でしか閲覧できないこととなっているため、市民やマスメディア、オンブズマンのチェックが困難な状況になっています。

(3)他都市の先進事例を踏まえて

≪①三重県議会≫
◇政務調査費ワーキンググループ
平成19年12月に設置
→ 透明性向上に向けた使途基準や按分についての考え方等について議論し、条例改正のための作業を開始
◇条例改正
平成20年3月 全件領収書添付義務づけ
◇政務調査費ガイドライン(平成21年3月作成)
http://www.pref.mie.lg.jp/KENGIKAI/oshirase/seimu/gaidorain21_6.pdf

◆特筆すべき点
◇不明確なものの按分割合を2分の1、4分の1と定める
◇視察報告書類等の公開の義務づけ
◇事務所費・事務費・人件費の按分率を支給金額総額の2分の1を基準とする
(また、按分の根拠となる合理的な理由を別添書類で提出する 
 ことを義務づける)

○不明確なものの按分割合を一律2分の1、4分の1と定め、視察報告書類等の公開の義務づけ、事務所費・事務費・人件費の按分率を支給金額総額の2分の1を上限としました。
事務所は選挙活動にもつながりやすいことから、按分の根拠となる合理的な理由を別添書類で提出することを義務づけることとしました。


◇海外政務調査について
【海外政務調査として認められる要件】
(旧法:徳島地裁H16.1.30)
● 認められる例
 ⇒事前に入念な事前調査を行っていること

● 認められない例
 ⇒現地の日本大使館等での説明、あるいは現地の自治体職員の説明を聞かず、直接観光地を視察し、通訳を介して現地の人の説明を聞いてくる。もしくは、単にパンフレットをもらってくるというだけでは私的な観光旅行と判断される。

【計画書および報告書、公開報告会の義務づけ】
 ①事前に海外政務調査計画書を議長に提出
 ②帰国後に結果報告書を議長に提出
 ③早期に公開報告会を実施

○海外視察について最も優れた指針を定めた、三重県議会『政務調査ガイドライン』の引用です。

○三重県議会では公費での海外視察を廃止し、そのうえ、政務調査費での海外視察に関しても厳格なルールを設けました。

○そもそも議会で「海外視察の政務調査費支出不可」規則が存在することを念頭に置きながら、費用対効果の面から慎重な判断が必要として、徳島地裁における判例で出された【海外政務調査として認められる要件】としての事前調査の徹底を呼びかけ、さらに視察計画書および報告書、公開報告会の3つを義務づけました。

○以上の事例により、海外視察は三重県議会のような厳格なルールを設けたうえで、政務調査費で行くべきであると考えます。


≪②静岡市議会≫
◇議会活性化委員会
 平成12年9月設置
 →市議会の活性化に関する事項について、議長の諮問機関として条例改正を検討
◇条例制定
 平成13年3月

○静岡市議会では、いち早く平成12年に議会活性化委員会を設置し、議長の諮問機関として条例改正を検討てきました。この市議会が一番判例に忠実なのではないかと私は感じています。

◆特筆すべき点
◇政務調査費の交付対象が会派であれば、政務調査活動も会派が行うものに限定されるとするH19.2.9札幌高裁の考え方を徹底
 ⇒支出にあたり、会派の了承が必要
◇事務所を会派控室に限定
 ⇒議員個人の事務所の設置、維持費等への支出を禁止
◇支出できる人件費を下記に限定
 ①会派控室において事務に従事する者
 ②会派控室において政策立案等を補助する者
 ③研修会の受付等の臨時職員
◇視察報告書等も公開

○政務調査費の交付対象が会派であれば、政務調査活動も会派が行うものに限定されるとするH19.2.9札幌高裁の考え方をし、個々の議員が政調費を支出するにあたり、会派の了承が必要としました。

○また、ここが注目すべきところですが、事務所を会派控室に限定し、
 ⇒議員個人の事務所の設置、維持費等への支出を一切禁止しました。

○さらに、支出できる人件費を、会派控室において事務や政策立案を補助する者に限定するなど、厳格な規定を設けています。


≪③東京都議会≫
◇条例改正
 平成19年~ 共産党が全件領収書添付を義務づける条例改正案を提出
 平成19年9月 都議会あり方検討委員会設置
 平成20年条例改正 全件領収書添付
  http://www.ombudsman.jp/10seimu/tokyoto.pdf

○例改正への流れは、平成19年~ 共産党が全件領収書添付を義務づける条例改正案を提出から始まり、都議会あり方検討委員会を設置しました。

◆特筆すべき点
◇第三者機関の設置
 →政務調査費について外部有識者等が中立的な立場からチェックに関与する第三者機関を設置

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○図にありますとおり、東京都議会では、四半期ごとに収支状況や報告書の提出を義務付け、それを第三者機関にチェックしていただき、指導・助言をいただくという体制をとっています。支出に適さないものはそこで取り下げることができます。

◇政務調査活動の定義

◎定義
 議員の職務が、住民意思を代表し政策を形成することであり、議会の役割が、知事その他の執行機関が行う施策の評価及び監視並びに政策の立案であることから、政務調査費を充てることのできる政務調査活動を、次の5つの活動とする。
 
 1)調査研究活動
   都政の課題、議会で審議する案件等について行う調査研究のための活動
 2)情報収集活動
   都民、政治家、行政関係者、民間の団体等との意見交換そのほかの
   情報収集を行うための活動
 3)政策立案活動
   政策や方針を立案及び発信するため、会派内又は会派間において、
   政策や方針について意見交換や意見調整等を行う活動
 4)広報・広聴活動
   都民等に対して行う広報・広聴活動
 5)その他の政務調査活動
   上記のほか、議長が必要と認める活動

○そもそも政務調査活動とは何か、の定義が定まっているものがほとんど存在しません。名古屋市会の条例でも「議員の調査研究に資するための必要な経費の一部」としかありません。定義が定まっていないので、使途基準も何を根拠に作成されているのかという問題が生じてきます。
そこで、都議会では、政務調査活動とはという定義を、施行規定に盛り込みました。


◇明確でないものの按分割合を2分の1に
→議員の活動においては、政務調査活動とその他の議員活動(政党活動、後援会活動等)及び私的活動とが混在する場合がある。このような場合、以下のように按分率を一律に定める。

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○都議会でも明確でないものの按分割合を、政務調査活動とその他の議員活動と混在する場合は一律二分の一、さらに私的活動と混在する場合は一律4分の1です。

≪③さいたま市議会・函館市議会≫

★さいたま市
◆公認会計士が調査
 →議員からの領収書(5万円以上)は、まとめて
 「第三者機関」である市選の公認会計士(2-3人)に渡される。
★函館市
◇ホームページ上で、会計帳簿、領収書、出張報告書ならびに政務
 調査費の使途に関する資料を公開
 →http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/gikai/seimutyousahi/seimutyousahi_top.html

○さいたま市議会では、チェック体制のため公認会計士が調査することとし、

○函館市議会では、ホームページ上で、会計帳簿、領収書、出張報告書ならびに政務調査費の使途に関する資料を公開しています。ここまで透明性・公開性を担保している議会は全国でも非常に珍しいといえます。


つづく
http://yamadamana.exblog.jp/19309901/
by yamadamana2011 | 2012-12-04 16:34 | 議会改革

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