山田まな 活動日記

大局がまだ見えず

更新が遅くなってしまって申し訳ありません。
議論につぐ議論で、コメント欄が燃え盛っていること、心より感謝いたします。
非常に多くの制約や仮定の中で、ご議論いただけたこと、また更なる議論が交わされるであろうこと、自分ひとりの脳内では到底及ばない視点が山積していること、心が躍るほど嬉しく思われます。と同時に、自分の職責の重さを改めて痛感いたします。
本当にありがとうございます。
どうか、どの方もご自由に議論してください。HPと掲示板設置に向けて、早く私のPC環境を安定させます。

市の職員の方もこのブログをご覧になっている方がいらっしゃるようなので、みなさまの議論されている様子がしっかり届いているようです。私もコメント欄での議論に深く関わればよかった。政争に巻き込まれるのは、議員の本分じゃありません。「市民に背を向けて政治をするな」、河村さんの言葉です。

また、このコメント欄のように熱く議員内・議員間討議ができたらよかった。ひとえに私の力不足です、申し訳ありません。6月定例会に向けて、ひたすら市政・施策を学びます。

コメント欄でも何度か指摘されるように、ややもすれば、委員会や議会の議論が保育料値上げそのものより、「減税の賛否」に流れてしまいがちでした。そこもまた残念です。

それでは、今回の保育料値上げに関する私の意見を書きます。拙い視点であること、コメント欄の議論まで成熟したものでない事、重々痛感してはおりますが、書きます。

(1)今回の値上げの反対理由
(2)委員会の席を退席した理由
の二点になります。また、長くなりますが、おつきあいくださいませ。

(1)今回の値上げの反対理由
 ①今回は財源があるため
 ②待機児童解消と保育料値上げの関係
 ③「大きな政府」と「小さな政府」

①今回は財源があるため
「今回の」値上げを反対したのは、深いところまで議論がつくせず申し訳ないのですが、シンプルに「財源があるから」です。

22年度市民税10%減税施策が議会に否決されまして、「行財政改革で生み出した161億円」が、減税施策を行わないため、浮きました。(※これまでも、名古屋市はずっと行革を行ってきましたが、この金額にまで到達できたのは、やはり減税施策ありきだったためといわれています。河村さんのいう「鉛筆一本まで削減するような行革」ができたのは事実で、本来は委員会でも鉛筆が配られていたのを、今は配られなくなりました)

その浮いた財源で、被災地域支援や「待機児童解消施策」などが行われました。また、国から支払われるはずの地方交付税や許可されるはずだった臨時財政対策債が、50億円減額されたので、その補填にも、この財源をあてています。

今回、「待機児童解消施策」で20億円の予算がつきました。

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それらを予算に計上してもなお、「減税施策の留保分(以下、『留保』)」として、62億円が存在します(横井議員のブログで指摘されていたものです)。この62億円の行方については、後ほどブログで書きます。

また、この『留保』から、3億円が被災地域の支援のため、支払われました。3億円の内訳は、岩手県・宮城県・福島県にそれぞれ1億円分ずつ、自動車や電機自動車などの贈与です。

それでも、59億円の財源が、何に使われるか用途が定まらないまま宙に浮いています。一部、ご指摘があるように、震災による影響で法人税の税収が大幅に下がるとの懸念があるため、「59億円」自体、無くなってしまう可能性もあります。また、河村市長は、「減税施策を行うために生み出されたお金。市民のみなさんに返したい」と、減税財源として残しておきたいとも考えられています。

ただ、この予算は、「22年度市民税10%減税施策が議会に否決されて、宙に浮いた財源」であり、その22年度分については「減税ありきではなく、市民サービス拡充に利用すべき」という議会の主張にも理があると私は理解しました。

(話はずれますが、河村たかし市長が66万票という圧倒的支持を得て市長になりましたが、減税日本市議団は全体でも26万票で、過半数の議席を得られず。このことは、「議会と対立せず、よくよく議論したうえで、市政を行ってほしいという民意である」、とよく他党の方がおっしゃいます。なるほど、その通りだと私は納得しています)

「今、値上げが必要か」にこだわったのは、この財源が存在するためでした。言葉を悪く言い換えますと、この財源が存在したために、「議論を先送りにした」とも言えます。その点は、批判を受けてしかるべきところであります。(根本的に、福祉政策についてどうしていくかは、③の論点につづきます)
ただ、今回1000年に1度の大震災の影響は、名古屋に、特に中小企業で如実に表れてきており、経済の冷え込みは例年に輪をかけて増しました。また、大企業でも、派遣切り・雇用・生産の縮小化傾向などから、震災による経済への打撃は日本全体を覆っています。さらに、増額予定であった子ども手当政策が立ち消え、震災増税がささやかれる中、これらすべての影響を一身に受けるのが、若い世代・子育て世代のみなさんです。そのようなさなかで、「今年の値上げは待ってほしい」というのが、私の意見です。

さらに、今後必要な議論としては、「全体としてどう考えるのか」、――「大きな政府」か「小さな政府」か、です。「税の負担は低負担のまま、市民サービスを拡充すべき」というのは、税収が冷え込み、社会全体が縮小していく今日の日本では、無理です。「高負担高福祉」型社会か、「低負担低福祉」型社会か、それとも第三の新たな思想が生まれるか。どちらの社会がいいか、広く市民のみなさんの間でも議論される必要があり、そのどちらの社会が良いかを選挙で選んでいただく(やはり③に飛びます)。

そこで、「増税でいいのか」さまがコメントされたように、

「不要不急の事業、というのは簡単なのですが、本丸御殿でも賛否があるとすれば、不要不急の事業というのは何でしょうか。要するに、なにを新しくはじめて、なにをやめて、なにを増やして、なにを縮小するか、ということですが、なんでも、賛否があるのです。自分の関係は、やめてほしくないし、縮小してほしくない。やめるべきではないし、削るべきではない。ほかにやめることが、削るところがあるはずだ。そう誰もが思うのです。そうすると、なにもやめることはできず、なにも削ることはできない、ということになります。それは増税路線です。現場を見たり、当事者に話を聞くのは、事実を確認するということでは大事なのですが、最後は、相対的な比較、あるいは、全体としてどう考えるのかというビジョンから、決断するしかないと思います。今まで通りでよいとするのではなく、なにをやめるのか、縮小するのか、決断するのが行革だと思います」


必ず、何らかの分野を、官ではなく、「民間にできることは、民間で」と、民に担ってもらうことになっていきます。今回、それが「児童福祉」であって、議会で議題にのぼる必要があったのは、「児童福祉の分野を、社会全体の公共の福祉として、行政が担っていくのか、もしくは、民間活力や市場メカニズムを導入し、市のコストを削減し、民間が担っていくのか」でした。
国の方針でも、「児童福祉の新システム」を導入していくことが決められました。これまで、名古屋市の児童福祉の分野は、「公・社会福祉法人・NPO」の3種類の団体に限られていましたが、『新システム』では、児童福祉に企業の参入を許す、というものです。

サムさまがコメントされた
「民営保育園には国庫補助がつきますので、民営保育園が増えています。ブレーキがかかっている地域は、民間参入を阻んでいる自治体、株式会社の保育園補助を認めないといった自治体かもしれません。名古屋市もそうかもしれません。そうならば、規制緩和・民間開放により保育定員を増やすということも検討すべきかもしれません。」
は、今後の児童福祉をどう名古屋が担っていくのか、考えるのにとても良い指摘だと思います。

また、もう一点「今、値上げか」で気になっている点は、「減税するから、保育料値上げ」の議論でした。852名の方の署名をすべて拝見させていただきましたが、ほとんどすべてその論旨でした。「保育料値上げして、認可保育園を増やす」など、1億円の財源の行方が明確に、さらに負担増の保護者のみなさまにも納得していただいた上での値上げであれば、ここまで波紋を呼ばなかっただろうと考えています。また、他党の方が「行財政改革の取り組みの中に、保育料値上げが組み込まれていた。」と批判されるように、「減税するから、保育料値上げ」というわかりやすい構図が前に出すぎて(メディアもそうでしたね)、深い議論を議会で行えなかった点も、今回は残念でありました。

セイントさまのコメント
「行革と減税を直結するのも、おかしいですよ。行革は、減税をしていない自治体でもやっていますし、減税をする前から名古屋市でもやってきたはずです。行革は、よりよい行政をするために、常にやることですよね。河村市長は、「減税の財源は行革でねん出する」と言っていたと思うけれど、「行革でうみだしたお金を全部減税にあてる」と言っていたわけではないし。」


のご指摘がまさにその通りだと思います。ですが、それが実に見えにくかったのが、いけなかった。

名古屋市の行革⊃河村市長の行革で生み出した減税財源
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(※この図はあくまでわかりやすくしたものであって、オレンジの丸と青の丸の面積が限りなくイコールに近いものかもしれません)

で、前回の日記にも書きましたように、今回の保育料値上げは、減税財源に直接的にかかわるものではなく、「受益者負担による税負担の適正化」を掲げた財政局の「財政規律を正す」行革であったわけです。それらを踏まえたうえで、前の日記、コメント欄以下のような議論がつくされてしかるべきでありましたが、その前段階で議会の議論が終わってしまいました。

②待機児童解消と保育料値上げの関係

待機児童解消=保育料値上げの構図は、巡り巡って繋がりますが、厳密に言えば、違うもので、施策としては別立てです。したがって、「保育料値上げするから、待機児童が解消される」という構図も少し本質からずれてしまうような気がいたします。

議論1
1)市が予算をつけて、待機児童解消施策を行う。(施策の一つとして新たに予算がつく)
      ↓
2)待機児童問題が解消され、これまで保育所に行けなかった子どもたちが保育所に来ることで、市の負担金がそれだけ増加する。(保育料への補助金はまた別の施策で、別に予算がついています)
      ↓
3)そこで、市の負担金の増加分を、「受益者負担」の原則によって、保育所を利用している方々に負担していただく。

よって、「待機児童解消後に、市の負担が増加するので、その分、受益者負担の原則によって、保育料値上げ」だと思います。

議論2
また、別の議論で、これまでも段階的に保育料が「受益者負担」の原則によって値上げされてきました。(コメント欄でも再三指摘されています。これまで他党のみなさんも、「受益者負担やむなし」と値上げを議決してきました。昨年と今年のみ、減税を反対する理由のひとつに、保育料値上げ反対を出されているように思います)つまり、「待機児童解消とは関係なく、別の観点から、保育料値上げはされてきた」ということです。

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数年前(何年前かは資料を役所に置いてきたため、また確認し次第書きます)、「ゼロ負担」
ということで、様々なものが無料でした。保育料もまた無料でした。しかし、日本経済が縮小の一途をたどり、高度経済成長期のような税収が望めなくなった。国政でも「自由主義」・「新自由主義」と、「小さな政府」論、「自己責任」論が謳われるようになりました。国からの補助金も児童福祉の分野で減少していっています。その時に用いられるのが、「受益者負担」の原則です。
児童福祉、保育の分野で徐々に「受益者負担」の原則が適用されていますが、それでもなお、名古屋市は「(高柳さまのコメントのように)子育ては、社会全体で支援していかなければならない」という考えでもって、国の定めた義務規定以上に、保育分野では補助をしています。

コメント欄で「減税政策と保育料の問題は関係ない」という意見を何度も読みました。おっしゃるとおり、直接的には繋がっていません。今回の議論では、特にその相関関係がごちゃ混ぜになってわかりにくくなってしまいました。が、根幹のところは繋がっているという意見に私も賛同します。つまり、「低負担低福祉」型社会=「小さな政府」=「減税政策」である、ということです。

(1)③と(2)に関しては、明日続きを書きます。
拙い議論、しかも、最終的な結論を導けていないままで申し訳ありません。減税日本である以上、私は小さな政府論者の一員であります。「民間でできることは、民間で」、市場メカニズムをとりいれ、価格競争によって、経済を再生循環型にするべきと考えています。今のところ、民間で市民サービスがさらに向上されると考えているものが、「スポーツ会館・区役所講堂・図書館の運営」などです(まだまだ不勉強です。町を歩き、施策の現場を学びます)。が、どこまでを民間にするのか、公共が利益を度外視にして担わなければならないものは何か、その線引きがまだ自分の中で定まっていないです。
by yamadamana2011 | 2011-05-02 00:55 | 考える

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