山田まな 活動日記

感性について

 9月定例会が開催されています。

 議会のなかで議員が行政に問いただすというシーンが本会議や委員会で繰り広げられます。
ときどき、聞いていて、うっと目頭が熱くなる時があります。普通の感覚なら通り過ぎてしまうであろう、当事者の言い尽くせぬ悲しみ苦しみに、深いところまで寄り添って、自分が代弁者たろうとする真摯な議員の姿を見るときです。
 問題の表層をなでるように指摘するといったものではなく、問題そのもの奥深くにぐっと迫って、何が根底にあるのか、ならどうすれば改善されるのかを徹底的に追求している。そして、そこから紡ぎだされた言葉を聞いていると、頭をがつんと殴られたかのような衝撃を受けます。
  「議員の資質は感性だ」、とある議員がおっしゃいました。議員に必要なものは、立派な肩書でも経歴でもない、雄弁さでもない、感性であると。通常なら素通りしてしまうであろう問題に気がつけるかどうか、気が付いて感じ入ることができるかどうか、そういった心のひだであると。やっぱり頭をがつんと殴られました。

 自分の死後、今よりも良い世の中を後世に残したい。子どもを産んで、そんな思いがますます強くなっています。

****

 
 本日、朝日新聞朝刊のオピニオンに作家の高橋源一郎さんが寄稿されました。
 以下、部分的に引用します。

 『忘れられない光景がある。ぎりぎりまで働いて子どもを迎えに行くので、保育園につくのは延長保育のリミットあたり。だから、毎日、近くの駅から走った。すると、たいていすぐ近くに、一緒に走っているお母さんがいるのである。2,3分遅れても文句はいわれないだろう。でも、走るのだ。汗で化粧がはげ落ち、目にうっすら涙の気配。
 「子どもが待っていますので」とはなかなかいえず、まるで罪人みたいに申し訳なさそうに会社を出たこと、子どもが誰もいなくなった部屋でひとりで待っているのではないかと思うと胸が締めつけられそうになること、こんなことなら働くんじゃなかったとつい思ってしまうこと、それらが胸の中に渦巻いているのだ、とぼくにはわかった。なぜなら、ぼくもそう感じていたから。』

 児童虐待やDV、自殺自死、依存症、心の病、そして貧困。数々の社会問題があります。それぞれが単独であるというよりは、連関して存在しているとしばしば指摘されます。
 これら問題の根底には社会経済情勢が深く関わっているのですが、表面化する問題は個々の家庭や個人といったものに帰していきます。自己責任、で切り捨てられていくのはあまりに本質でない。ひとりで抱え込まないで、ふと手を差し伸べられたらどんなに救われるか。社会全体で支え、また立ち向かっていく仕組みを考えていきたいと思っています。

 今朝のオピニオンに大賛成の意をこめて、抽象的なことを書きました。
# by yamadamana2011 | 2013-09-26 20:07 | 考える

自助・共助・公助でした

学区で大火事でした!
幸い怪我人はいらっしゃいませんでした。
罹災された方々を町内、区役所、警察と皆さんで手分けしてお手伝い。
なんとか今晩寝泊まりできる場所と、明日以降の目処がつきました。
その後、町内会長さん達がお見舞いに行っています。

災害時の対応に自助・共助・公助が大事であると言われていますが、システマティックにその仕組みが出来上がっているわけではなく、日頃からの町内や学区の連携と、ただただ人々の善意の糸で紡がれていくものだと改めて実感しました。

自治ってすごい!それを外から支えてくれる行政機構の皆さんもありがたいなぁとしみじみと思います。

遅くまでお疲れ様でした。
# by yamadamana2011 | 2013-06-04 21:29 | 考える

風疹の予防接種の費用助成が始まります!

【名古屋市の方!】風疹の予防接種の費用助成が始まります!
①妊娠を希望する女性②そのパートナー③妊娠中の女性のパートナーのいずれかに該当する名古屋市民の方は、風疹予防接種が全額公費負担で受けることができます!詳細は下記のURLにて。

http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000047741.html
※妊娠中の女性は接種できません。
※※接種後、二か月避妊期間が必要となります。
※※※事前に医療機関で抗体検査(3000~5000円自己負担)を受ける必要があります。

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【期間】2013/6/14~2014/3/31

【実施医療機関】6/11頃、名古屋市HPにて掲載予定

妊娠初期に風疹にかかるとお腹の赤ちゃんが先天性の障碍を持ってしまうことがあります。
国のワクチン行政によって風疹予防接種を受けていない年代の方々が親世代になっています。
昨年から風疹が大流行しておりますので、これから子どもを授かろうとしている方、また妊娠中の女性のパートナーの方、この機会にぜひ風疹の予防接種をご検討されてください。
# by yamadamana2011 | 2013-06-04 07:27 | 広報

【その1】政務活動費の条例改正案を考えてみました

地方自治法が改正され、政務調査費から政務活動費に名称及び内容が変更されるにあたって、名古屋市議会でも条例改正に関して今後議論がなされていくようです。

とりあえず、個人的なものですが、これまで政務調査費に携わりながら、「ここが変だ」という問題点を挙げ、弁護士さんと相談しながら、『公開性・透明性』を重視した先進都市から学び、条例改正案を作りました。まだまだまだ検討中です。

(1)名古屋市における政務調査費の変遷
1)名古屋市会政務調査費の交付に関する条例改正の推移

①平成20年3月5日 政務調査費条例改正
 ⇒1万円以上の支出の際は、領収書添付を義務づける
②平成21年3月19日 政務調査費条例改正
 ⇒月55万円支給から、5万円減額して、月50万円支給
③平成22年3月29日
 ⇒1円から領収書添付を義務づけ

○名古屋市会政務調査費の交付に関する条例改正の推移ですが、名古屋市議会も他都市の改正の流れや世論、またオンブズマンの声を反映し、平成22年には1円から領収書公開を取り入れていました。


2)名古屋市の政務調査費交付の概要

①政務調査費の交付先
 会派のみ

②交付金額
 会派所属議員の人数×50万円/月

③公開性・透明性
 【1】証拠書類
・1円から領収書添付を義務づけ
 【2】閲覧
・場所:市会図書室内及び市会事務局内
・方法:簡易なメモを取ることは可能。
コピーしたい場合は、情報公開請求の手続きに則り1枚あたり10円

○政務調査費の交付先は、会派のみで、交付金額は議員ひとりあたり月50万円です。

○証拠書類は全件の領収書の添付と収支報告書のみとし、それらを市会図書室で公開しています。簡易なメモを取ることは可能ですが、コピーしたい場合は、情報公開請求の手続きに則り1枚あたり10円必要です。


(2)使途基準の曖昧さと不透明な公開方法

【問題点】
透明性・公開性・市民への説明責任の観点を鑑みると、名古屋市会では未だ政務調査費に関して詳細な指針が存在していない。

【検討課題】
◇交付金額
 ・議員一人あたり50万円/月の妥当性

◇使途基準の明確化と内容の妥当性
・明確に区分を行うことが困難な場合の按分率→基準の必要性
  例)ガソリン代、事務所費、人件費等

○たとえばガソリン代や事務所費代等、明確に区分を行うことが困難な場合の按分率に基準はありませんし、例えば按分率80%とA会派が一律定めたとして、その合理的な根拠を示す必要性はありません。基準化が必要です。

○また、判例では違法支出とされるものが、市民からの指摘がないため『名古 屋ルール』として容認されています。市民から指摘されない限り、その使い途は正しいとされるのであれば、あまりに恣意的。つまり「ばれなければ良い」ということになってしまうのです。


◇支給対象
 ・「会派」か「議員」か
 →誰が何の目的で使用したのかの説明責任を果たすため、
  支給対象を「議員」すべきでは?
 
⇔三重県議会ありかた検討会
  「合議体としての議会機能を強化する観点から、政策の形成・調整・合意形成を行う会派の活動を「政務」とし、支給対象を「会派」とすべきでは?

◇証拠書類等
 ・領収書例①「80円切手代金120万円」
 ・領収書例②「備考欄に『人件費40万円/月』と記入したのみで、領収書は20万円と記載されている」
 ・領収書③「備考欄に『鹿児島視察11人分230万円』と記入したのみで、細目の記述のない領収書添付のみ」

○これらのずさんな領収書公開のみでは市民に説明責任を果たしたとは到底言えません。そこで、視察報告書・成果物・勤務実態表等の提出および公開の義務づけの必要性があるといえます。

◇監査体制
 ・現状、条例第6条を根拠とする議長の形式的な調査に留まる

 →公開方法
 ・領収書宛名が会派名
 ・市会図書室(市会事務局)でしか閲覧できない
 →公開する資料の範囲
 ・現状では領収書のみ

○公開方法も領収書宛名が会派名で、市会図書室でしか閲覧できないこととなっているため、市民やマスメディア、オンブズマンのチェックが困難な状況になっています。

(3)他都市の先進事例を踏まえて

≪①三重県議会≫
◇政務調査費ワーキンググループ
平成19年12月に設置
→ 透明性向上に向けた使途基準や按分についての考え方等について議論し、条例改正のための作業を開始
◇条例改正
平成20年3月 全件領収書添付義務づけ
◇政務調査費ガイドライン(平成21年3月作成)
http://www.pref.mie.lg.jp/KENGIKAI/oshirase/seimu/gaidorain21_6.pdf

◆特筆すべき点
◇不明確なものの按分割合を2分の1、4分の1と定める
◇視察報告書類等の公開の義務づけ
◇事務所費・事務費・人件費の按分率を支給金額総額の2分の1を基準とする
(また、按分の根拠となる合理的な理由を別添書類で提出する 
 ことを義務づける)

○不明確なものの按分割合を一律2分の1、4分の1と定め、視察報告書類等の公開の義務づけ、事務所費・事務費・人件費の按分率を支給金額総額の2分の1を上限としました。
事務所は選挙活動にもつながりやすいことから、按分の根拠となる合理的な理由を別添書類で提出することを義務づけることとしました。


◇海外政務調査について
【海外政務調査として認められる要件】
(旧法:徳島地裁H16.1.30)
● 認められる例
 ⇒事前に入念な事前調査を行っていること

● 認められない例
 ⇒現地の日本大使館等での説明、あるいは現地の自治体職員の説明を聞かず、直接観光地を視察し、通訳を介して現地の人の説明を聞いてくる。もしくは、単にパンフレットをもらってくるというだけでは私的な観光旅行と判断される。

【計画書および報告書、公開報告会の義務づけ】
 ①事前に海外政務調査計画書を議長に提出
 ②帰国後に結果報告書を議長に提出
 ③早期に公開報告会を実施

○海外視察について最も優れた指針を定めた、三重県議会『政務調査ガイドライン』の引用です。

○三重県議会では公費での海外視察を廃止し、そのうえ、政務調査費での海外視察に関しても厳格なルールを設けました。

○そもそも議会で「海外視察の政務調査費支出不可」規則が存在することを念頭に置きながら、費用対効果の面から慎重な判断が必要として、徳島地裁における判例で出された【海外政務調査として認められる要件】としての事前調査の徹底を呼びかけ、さらに視察計画書および報告書、公開報告会の3つを義務づけました。

○以上の事例により、海外視察は三重県議会のような厳格なルールを設けたうえで、政務調査費で行くべきであると考えます。


≪②静岡市議会≫
◇議会活性化委員会
 平成12年9月設置
 →市議会の活性化に関する事項について、議長の諮問機関として条例改正を検討
◇条例制定
 平成13年3月

○静岡市議会では、いち早く平成12年に議会活性化委員会を設置し、議長の諮問機関として条例改正を検討てきました。この市議会が一番判例に忠実なのではないかと私は感じています。

◆特筆すべき点
◇政務調査費の交付対象が会派であれば、政務調査活動も会派が行うものに限定されるとするH19.2.9札幌高裁の考え方を徹底
 ⇒支出にあたり、会派の了承が必要
◇事務所を会派控室に限定
 ⇒議員個人の事務所の設置、維持費等への支出を禁止
◇支出できる人件費を下記に限定
 ①会派控室において事務に従事する者
 ②会派控室において政策立案等を補助する者
 ③研修会の受付等の臨時職員
◇視察報告書等も公開

○政務調査費の交付対象が会派であれば、政務調査活動も会派が行うものに限定されるとするH19.2.9札幌高裁の考え方をし、個々の議員が政調費を支出するにあたり、会派の了承が必要としました。

○また、ここが注目すべきところですが、事務所を会派控室に限定し、
 ⇒議員個人の事務所の設置、維持費等への支出を一切禁止しました。

○さらに、支出できる人件費を、会派控室において事務や政策立案を補助する者に限定するなど、厳格な規定を設けています。


≪③東京都議会≫
◇条例改正
 平成19年~ 共産党が全件領収書添付を義務づける条例改正案を提出
 平成19年9月 都議会あり方検討委員会設置
 平成20年条例改正 全件領収書添付
  http://www.ombudsman.jp/10seimu/tokyoto.pdf

○例改正への流れは、平成19年~ 共産党が全件領収書添付を義務づける条例改正案を提出から始まり、都議会あり方検討委員会を設置しました。

◆特筆すべき点
◇第三者機関の設置
 →政務調査費について外部有識者等が中立的な立場からチェックに関与する第三者機関を設置

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○図にありますとおり、東京都議会では、四半期ごとに収支状況や報告書の提出を義務付け、それを第三者機関にチェックしていただき、指導・助言をいただくという体制をとっています。支出に適さないものはそこで取り下げることができます。

◇政務調査活動の定義

◎定義
 議員の職務が、住民意思を代表し政策を形成することであり、議会の役割が、知事その他の執行機関が行う施策の評価及び監視並びに政策の立案であることから、政務調査費を充てることのできる政務調査活動を、次の5つの活動とする。
 
 1)調査研究活動
   都政の課題、議会で審議する案件等について行う調査研究のための活動
 2)情報収集活動
   都民、政治家、行政関係者、民間の団体等との意見交換そのほかの
   情報収集を行うための活動
 3)政策立案活動
   政策や方針を立案及び発信するため、会派内又は会派間において、
   政策や方針について意見交換や意見調整等を行う活動
 4)広報・広聴活動
   都民等に対して行う広報・広聴活動
 5)その他の政務調査活動
   上記のほか、議長が必要と認める活動

○そもそも政務調査活動とは何か、の定義が定まっているものがほとんど存在しません。名古屋市会の条例でも「議員の調査研究に資するための必要な経費の一部」としかありません。定義が定まっていないので、使途基準も何を根拠に作成されているのかという問題が生じてきます。
そこで、都議会では、政務調査活動とはという定義を、施行規定に盛り込みました。


◇明確でないものの按分割合を2分の1に
→議員の活動においては、政務調査活動とその他の議員活動(政党活動、後援会活動等)及び私的活動とが混在する場合がある。このような場合、以下のように按分率を一律に定める。

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○都議会でも明確でないものの按分割合を、政務調査活動とその他の議員活動と混在する場合は一律二分の一、さらに私的活動と混在する場合は一律4分の1です。

≪③さいたま市議会・函館市議会≫

★さいたま市
◆公認会計士が調査
 →議員からの領収書(5万円以上)は、まとめて
 「第三者機関」である市選の公認会計士(2-3人)に渡される。
★函館市
◇ホームページ上で、会計帳簿、領収書、出張報告書ならびに政務
 調査費の使途に関する資料を公開
 →http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/gikai/seimutyousahi/seimutyousahi_top.html

○さいたま市議会では、チェック体制のため公認会計士が調査することとし、

○函館市議会では、ホームページ上で、会計帳簿、領収書、出張報告書ならびに政務調査費の使途に関する資料を公開しています。ここまで透明性・公開性を担保している議会は全国でも非常に珍しいといえます。


つづく
http://yamadamana.exblog.jp/19309901/
# by yamadamana2011 | 2012-12-04 16:34 | 議会改革

【その2】政務活動費の条例改正案を考えてみました

このブログの続き
http://yamadamana.exblog.jp/19309898/

(4) 政務活動費の条例改正案

○条例改正案

○これらを踏まえ、政務調査費から政務活動費となったことにより、今後全国の議会で条例改正への動きが生じてきます。市民オンブズマンは、これまで以上に曖昧な基準で使途が拡大されていかないか、非常に危惧しています。これまでの検討課題や判例なども含め、先進的な取り組みを盛り込んだ、条例案を作成してみました。

○弁護士さんに相談しながら、条例案の検討を重ねてきました。この条例案が名古屋市で可決されるかどうかは、これから議論がなされていくものと思われます。


 (趣旨)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条第14項及び第15項の規定に基づき、名古屋市会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、議会における会派に対し、政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする。

 (政務活動の範囲)
第2条 議員の職務が市民意思を代表し、政策を形成することであり、議会の役割が、市長その他の執行機関が行う施策の評価及び監視並びに政策の立案にあることにかんがみ、政務活動の範囲を調査研究、情報収集、政策立案、広報・広聴活動等とし、次に掲げるとおりとする。
一 市政の課題、議会で審議する案件等について行う調査研究の ための活動
二 市民、政治家、行政関係者、民間の団体等との意見交換その他の情報収集を行うための活動
三 政策や方針を立案及び発信するため、会派内又は会派間において、政策や方針について意見交換や意見調整等を行う活動
四 市民等に対して行う広報・広聴活動
五 前各号に掲げるもののほか、議長が必要と認める活動

Note 1 : 改正の趣旨
法改正に従い、政務活動費が使用可能な範囲を条例で定めるため

Note 2 : 内容等
 全国市議会議長会の条例案では、「政党活動、後援会活動などの選挙活動などを除く、会派活動及び議員活動」との抽象的な規定になっているが、全国市議会での変更事項に関する本会での意見等にも記載のあるように、具体的な政務活動の範囲を規定し、それと関連させる形で、使途基準を設置した方が、一般の人にも分かりやすい条例となると考える。
 ひとまず、既に定義規定を設置している東京都の規定をそのまま準用しているため、内容については、さらに検討する必要がある。
 東京都の条例改正におけるあり方検討委員会において、定義の必要性が主張されている。
 三重県のあり方調査会によると、「政務」の意味を、議会基本条例の議会や会派の役割と関連付けることが提案されている。
 法改正により、「政務調査費」から「政務活動費」となったことにより、従来のものから使途が拡張される項目として、国等への陳情が挙げられており、これを加えるか検討する必要がある。

○具体的な政務活動の範囲を規定し、それと関連させる形で、使途基準を設置した方が、一般の人にも分かりやすい条例となると考えます。先ほど紹介させていただきました東京都議会の定義規定をそのまま準用しているため、内容については、さらに検討する必要があります。

○内容の検討項目として、ひとつめに、三重県のあり方調査会によると、「政務」の意味を、議会基本条例の議会や会派の役割と関連付けることが提案されています。

○二つ目に、法改正により、「政務調査費」から「政務活動費」となったことにより、従来のものから使途が拡張される項目として、国等への陳情が挙げられており、これを加えるか検討する必要があります。


 (交付対象)
第3条 政務活動費は、名古屋市会における会派(所属議員が1人の場合を含む。以下「会派」という。)に対して交付する。

Note 1 : 交付対象が会派の場合における会派が行う調査研究活動の解釈

【札幌高裁平成19年2月9日判決】

会派としての意思統一がなされ、当該調査活動が会派として行うものであるとの会派の了解が存在することが必要。
※ 会派として行う調査活動に限られないとする判例もある。

Note 2 : 改正の検討

制度の透明性を図るため、会派交付の場合は、会派が行う調査活動に限定すべきであると考える(会派の調査研究活動を分担して行うことが明確である議員個々に行う調査研究活動は可能)。
  その上で、議員交付分も設けるべきか、会派交付のみとすべきかについて検討する必要がある。

Note 3 : 会派からの個々の議員への調査の委任の様式
東京都の様式参照。

○Note 1 : 交付対象が会派の場合における会派が行う調査研究活動の解釈をどうするか、ですが、札幌高裁では、「 会派としての意思統一がなされ、当該調査活動が会派として行うものであるとの会派の了解が存在することが必要」とし、静岡市議会はこの判例に沿って運用しています。ただ、廣瀬先生の著書で指摘されている通り、会派として行う調査活動に限られないとする判例もあるので、どちらの解釈をとるのか各議会で判断する必要があります。

○次に、Note 2 : 改正の検討
 制度の透明性を図るため、会派交付の場合は、会派が行う調査活動に限定すべきであると考えます。その上で、三重県議会のように、議員交付分も設けるべきか、会派交付のみとすべきかについて検討する必要があります。


(交付額及び交付の方法)
第4条 政務活動費は、月額500,000円に当該会派の所属議員の数を乗じて得た額を会派に対し交付する。
2 前項の所属議員の数は、月の初日における各会派の所属議員 数による。
3 月の途中において、議員の任期満了、辞職、失職、死亡若しくは除名、議員の所属会派からの脱会若しくは除名又は議会の解散があった場合におけるこれらの事由が生じた日の属する月の政務活動費の交付については、これらの事由が生じなかったものとみなす。会派が解散した場合も同様とする。
4 各会派の所属議員数の計算については、同一議員について重複して行うことができない。
5 政務活動費は、毎月10日に交付する。ただし、10日が、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日、日曜日又は土曜日(以下「休日等」という。)であるときは、その直前の休日等でない日とする。

Note : 交付金額について
 そのままでよいか。
 現在の返還額の状況によっては、金額を変更することも検討してよいのではないか。

○この条文は、交付額と交付の方法についての規定です。
ここでの検討課題は、 交付金額についてです。
そのままでよいか、現在の返還額の状況によっては、金額を変更することも検討してよいのではないか、政務活動費の趣旨や使途基準も鑑みながら、設定しなおす必要があります。


 (使途基準)
第5条 政務活動費は、別表に定める使途基準に従って使用するものとし、第2条各号に掲げる政務活動に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない。

Note 1 : 改正の趣旨
第2条の定義と関連付ける形で、使途基準を定める。
別表を規程ではなく、条例で定める。

Note 2 : 別表について
別表の内容を検討する必要がある。

Note 3 : 経理責任者の規定について
 モデル条例を始め、使途基準の次条に経理責任者の規定がある例が多いが、名古屋市は、規則の「会計帳簿等の整理保管等」の規定の中で定められている。
 敢えてモデル条例と異なる規定の形式をとった理由はなにか。
 どちらの方がよいのか。

 (収支報告書等)
第6条 政務活動費の交付を受けた会派の代表者は、政務調査費に係る収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を、別記様式により議長に提出しなければならない。
2 前条の場合において、当該会派の代表者は、以下の各号に定める書類を添付しなければならない。
 一 会計帳簿
 二 政務活動費に係る領収書その他支出の事実を証する書類の写し
 三 政務活動費のうち、人件費及び事務所費に係る契約書の写し
 四 政務活動費による印刷費の支出に係る成果品等の写し
 五 別記様式に定める報告書
3 収支報告書及び前項各号に定める書類(以下「収支報告書等」という。)は、前年度の交付に係る政務調査活動費について、毎年5月6日までに提出しなければならない。ただし、5月6日が休日等であるときは、その直後の休日等でない日とする。
4 政務活動費の交付を受けた会派の代表者は、会派が解散(議員の任期満了による一般選挙後に同一の会派を結成する場合を除く。以下この項において同じ。)した場合には、前項の規定にかかわらず、当該会派が解散した日の属する月までの収支報告書等を、解散した日の翌日から起算して30日以内に提出しなければならない。

Note 1 : 改正の趣旨
 使途の透明性を高めるため、領収書以外にも添付すべき書類を規定した。
 (1)会計帳簿
 (2)政務活動費に係る領収書その他支出の事実を証する書類の写し
 (3)政務活動費のうち、人件費及び事務所費に係る契約書の写し
 (4)政務活動費による印刷費の支出に係る成果品等の写し
 (5)視察報告書など

Note 2 : 添付書類について
 ひとまず、他都市の事例等から、添付した方がよいと思ったものを挙げてみたが、全て必要か、また、他に必要な書類はないか。
Note 3 : 提出時期について
 添付書類を増やし、次条以下の通り調査を厳しくするとなると、1年に1回だと、処理が困難になることが予想される。
 そのため、半年又は四半期ごとに提出→調査を行った方がよいと思われる。
 なお、東京都は四半期ごと、さいたまは半期ごとに提出→調査を行っている。

○Note 1:使途の透明性を高めるため、領収書以外にも添付すべき書類を規定しましたた。

○Note 2 : 添付書類について、他都市の事例等から、添付した方がよいと思ったものを挙げてみましたが、全て必要か、また、他に必要な書類はないか、議会で検討すべき項目です。

○Note 3 : 提出時期についてですが、添付書類を増やし、次条以下の通り調査を厳しくするとなると、1年に1回だと、処理が困難になることが予想されます。そのため、さいたま市議会や東京都議会のように、半年又は四半期ごとに提出→調査を行った方がよいと思われます。


 (議長の調査)
第7条 議長は、政務活動費の適正な運用を期すため、前条の規定により収支報告書等が提出されたときは、調査を行う。
2 前項の調査は、別記様式により記録するものとする。

Note 1 : 改正の趣旨
 より適正な運用を期すため、提出された書類は、議長(議会局)が、全件調査する体制となるよう規定した。
 また様式を定めることにより、調査項目が明確となるようにした。
Note 2 : 調査項目について
 どのような事項を調査項目とするかと検討する必要がある。
 なお、東京都の様式によると、
①都が交付した政務調査費と会派の会計帳簿との照合
②会計帳簿における個々の支出事項と条例に定める使途基準との照合
③会計帳簿の支出事項と保管する支払伝票等との照合
④その他
となっている。

 (名古屋市議会政務活動費調査等協議会)
第8条 議長は、前条に定める調査等に関し、専門的見地からの意見を聴くため、議長が指名する三人以内の学識経験を有する者をもって構成する名古屋市議会政務活動費調査等協議会(以下「協議会」という。)を置く。
2 協議会は、前項に規定する意見を述べる場合において必要があると認めるときは、収支報告書等に関し、検査を行うことができるものとする。
3 協議会は、前項に規定する検査を行う場合において、活動費の使用状況等の適切な把握のため必要があると認めるときは、会派との意見交換等を行うことができるものとする。
4 協議会は、必要があると認めるときは、議長又は会派に対し、活動費に関する指導及び助言をすることができるものとする。
5 協議会の構成員は、正当な理由なく、この条に規定する職責を果たす上で知り得た秘密を漏らしてはならない。第1項に規定する指名が解かれた後も同様とする。
6 前各項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、議長が定める。

Note 1 : 改正の趣旨
 より透明性を高め、適正な運用を期すため、中立的な立場からチェックに関与する第三者機関を設置する規定を設けた。
Note 2 : 第三者機関の構成、調査の方法等
 上記の規定は、ひとまず、東京都の規定をそのまま流用している。
 したがって、第三者機関の委員構成や、調査の方法等について、検討する必要がある。
 なお、東京都は弁護士、会計士、税理士等の有識者3名で構成されており、抽出検査としている。その他、必要に応じ、議会局の調査の指導助言を行うとされている。
 また、さいたま市は、公認会計士が、全件検査を行っているようである(ただし、条例に明記はされていない。)。

 (交付額の確定)
第9条 市長は、収支報告書等の送付を受けたときは、当該収支報告書の審査及び必要に応じて行う調査等により交付すべき活動費の額を確定し、代表者に通知しなければならない。

Note 1 : 改正の趣旨
 同条により、調査を経て、適正な活動費の金額が確定され、次条により、同金額と当初交付額との差額を返還すべきこととなる。
 このような方式を採ることにより、返還額が明確になると考える。
 東京都及びさいたま市が、同方式を採用している。

Note 2 : 規定の内容
 規定の内容は、ひとまず、東京都の規定をそのまま流用している。ただ、「当該収支報告書の審査及び必要に応じて行う調査等により交付すべき調査費の額を確定し」と「審査」と「調査」の2段階のチェックが予定されているが、それぞれどのようなチェックがなされているのかを確認する必要がある。
 さいたま市は、「その内容を審査し、適正と認めるときは、当該年度における政務調査費の交付額を確定し、」としている。


(政務活動費の返還)
第10条 政務活動費の交付を受けた会派の代表者は、交付を受けた政務活動費の総額から前条の規定により確定された政務活動費の額を控除して残余があるときは、当該残余の額に相当する額を、直ちに市長に返還しなければならない。
Note : 改正の趣旨等
 前条参照。

(収支報告書等の保存及び閲覧)
第11条 議長は、第5条第1項の規定により提出された収支報告書等を、提出期限の日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。
2 何人も、議長に対し、前項の収支報告書等の閲覧を請求することができる。
3 議長は、前項の規定による請求があったときは、非公開情報(名古屋市情報公開条例(平成12年名古屋市条例第65号)第7条第1項に規定する非公開情報をいう。)が記録されている部分を除き、収支報告書等を閲覧に供するものとする。
4 前項に定めるもののほか、第2項の閲覧について必要な事項は、議長が定める。

Note : ホームページでの閲覧
 ホームページでの閲覧が可能となるよう規程の改正を行う。

○収支報告書等の保存及び閲覧の規定ですが、個々の条文内で、たとえば、函館市議会のように、ホームページでの閲覧が可能となるよう規程の改正を行うべきであると考えます。

 (委任)
第12条 この条例に定めるもののほか、政務調査費の交付に関し必要な事項は、規則で定める。

Note : 条例での規定事項と規則での規定事項
 条例での規定事項と規則での規定事項
 経理責任者の規定について前述のとおり。
 第9条の規定を置くのであれば、規則第5条の市長への収支報告書等の写しの送付の規定も条例にあった方が分かりやすい。

≪まとめ:今後あるべき議員像とは―議会改革の方向性―≫
○日本の地方議会が目指すのは
 イギリス式か、アメリカ式か
 
1)イギリス式
  議員数は多いが、無報酬に近いボランティア的
  「名誉職」
 
 2)アメリカ式
  少数精鋭の議員だが、報酬は高い「専門職」

○議員報酬削減と議員定数削減がよく議題に挙げられますが、その議論の根底にある議員像が明確なのだろうか私は疑問に思います。行政改革と同様、なんでも削減すればいいというわけではないからです。
たとえば、
 1)イギリスでは、地方議会の 議員数は多いが、無報酬に近いボランティア的
  「名誉職」
  2)アメリカ都市部では、 少数精鋭の議員だが、報酬は高い「専門職」
と二つの像があります。
 この二つの形に収れんされることはないでしょうが、議員のあり方はどうあるべきか、まず議論の遡上に乗せるべきではないでしょうか。


●地方議会の質的改革
  1)立法政策能力の向上
  2)議会の自立性の確立
  3)議会スタッフの充実
  4)監視統制機能の強化
  5)開かれた議会づくり
 ※引用:佐々木信夫『現代地方自治』139頁

○議員のありかたとともに、議会基本条例の制定に満足しているだけでなく、実質的な地方議会の質的改革にも取り組むべきです。上記、佐々木信夫氏の5つの観点を引用しましたが、たとえば、立法政策能力の向上で、市会図書室を充実した制度に変革すれば、個々の議員が自由に新聞や図書を購入する必要もなくなりますし、議会スタッフを制度として充実する方向づければ、個々の議員の秘書的な人件費は必要となくなり、その分の政務調査費の給付額は減額が可能です。

○以上、「議員の調査研究に資する」という目的に立ち戻り、個別の政務調査費のガイドラインを定めると同時に、あるべき議員像を踏まえ、目指すべき議会改革の方向性を定めることが議会にとって急務であると考えます。


おわり
# by yamadamana2011 | 2012-12-04 16:34 | 議会改革

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